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AO・総合型選抜·12 分で読了

オープンキャンパスは「志望理由書の材料集め」で行く|夏のOCの歩き方

オープンキャンパス志望理由書総合型選抜高3

オープンキャンパスは志望理由書の一次体験を仕込む場。行く前の準備、当日の質問例、メモを志望理由書の素材に変換する手順をlonova編集部が整理しました。

7月に入って、大学のオープンキャンパス(OC)の予約サイトを開いた高3生も多いだろう。多くの大学で7〜8月にOCが集中し、人気校は予約開始から数日で埋まることも珍しくない。事前予約制が主流になっているので、「行きたいと思った日に飛び込みで行ける」時代ではなくなっている。

lonova編集部がこの時期に伝えたいのは、オープンキャンパスを「大学の雰囲気を見に行くイベント」で終わらせるのはもったいない、ということだ。総合型選抜・学校推薦型選抜を考えているなら、OCは志望理由書の一次体験を仕込む最大のチャンスになる。行く前の準備から当日の見るべきポイント、質問例、帰宅後に志望理由書の素材へ落とし込む手順までを整理し、オンラインOCしか都合がつかない場合の代替案も最後に触れる。

なぜオープンキャンパスの一次体験が志望理由書に効くのか

志望理由書で最も落とされやすいのは、「他の大学に出しても通ってしまう文章」だ。パンフレットやWebサイトに書いてある建学の精神やカリキュラムの説明をそのまま引き写した志望理由書は、面接官からすると「これは誰でも書ける」と映る。大学案内に載っている情報は、大学側もすでに知っている。それを要約して返されても、評価のしようがない。

志望理由書で評価されるのは、「大学固有の情報」と「自分固有の経験・関心」が交差する点だ。この交差点を作れるかどうかが、パンフレット丸写しの志望理由書と、一次体験に基づく志望理由書の決定的な差になる。

オープンキャンパスは、この交差点を作るのに最も効率のいい機会だ。模擬授業を受けて「この教員はこういう切り口でこの分野を教えるのか」と実感する、研究室を見て「この設備でこういう実験をしているのか」と知る、在学生に話を聞いて「入学後の生活はこういう感じか」と想像がつく。どれもパンフレットには載っていない一次情報で、しかもそれに触れた「自分」の反応込みで語れる。

たとえば「貴学の〇〇学部を志望する理由は、△△という研究が行われているからです」だけでは弱い。「オープンキャンパスで△△研究室の模擬実験に参加し、□□という手法で××を測定する場面を見て、自分が漠然と関心を持っていた◎◎という問題が、この研究室の手法なら扱えるかもしれないと感じた」まで書ければ、大学固有の情報と自分固有の関心が結びつく。これが「必然性」のある志望理由書だ。

志望理由書全体の構成や評価される3軸については 志望理由書の書き方 で詳しく整理している。OCの体験は、この3軸のうち特に「必然性」(なぜこの大学・学部でなければならないか)を裏付ける最強の材料になる。

行く前に潰しておく3つの準備

OC当日を「材料集めの場」として機能させるには、事前準備が9割を占める。準備なしで行くと、感想文レベルのメモしか残らない。

1. アドミッション・ポリシーを読んでおく

志望する学部・学科のアドミッション・ポリシー(大学が求める学生像)は、大学公式サイトの入試情報ページに必ず掲載されている。事前に読んでおくと、模擬授業や在学生の話を聞いたときに「このポリシーが実際にどう体現されているか」という視点で観察できる。読まずに行くと、何を見ればいいか分からないまま流れていく時間になる。

2. 調べれば分かることは事前に潰す

学部構成、取得できる資格、主要な研究テーマ、キャンパスの立地といった、公式サイトやパンフレットに書いてある情報は、行く前にすべて頭に入れておく。当日その場でパンフレットを読み込む時間があるなら、それは在学生に質問する時間に回した方がいい。「調べれば分かることを当日に聞く」のは、時間の使い方として非効率だ。

3. 自分の関心を1〜2個の問いに言語化しておく

「なんとなく興味がある」の状態でOCに行くと、何を見ても浅い感想しか残らない。事前に「自分は〇〇について関心があり、それは□□という問いに近い」くらいまで言語化しておくと、模擬授業や研究室で「この問いに関係する場面」に自然とアンテナが立つ。

高3の夏は部活の引退直後で時間の余裕ができる時期と、総合型選抜のエントリーが本格化する時期が重なる。多くの大学で総合型選抜のエントリーや出願受付は6〜9月に始まるため、夏のOCで得た材料をそのまま出願書類に反映できる時間的余裕があるのは、実質この時期が最後になりやすい。この3つの準備は前日ではなく1週間前までに済ませておきたい。

当日、模擬授業と研究室で見ておきたいポイント

当日の限られた時間で何を見るか、優先順位をつけておく。

模擬授業では、教える内容そのものより「どういう問いの立て方をしているか」に注目する。同じテーマでも、教員によって「歴史的経緯から説明する」「データから入る」「対立する立場を提示してから議論させる」など、アプローチが違う。この違いが、志望理由書で「貴学のカリキュラムでは〇〇という思考の型を身につけたい」と書くときの具体的な根拠になる。

研究室・施設見学では、設備の新しさより「その設備で何を測っている・作っているか」を見る。文系学部でも、社会調査のためのデータベースや、フィールドワークの記録アーカイブなど、その大学ならではの資源がある場合が多い。パンフレットの写真では分からない、実際の使われ方を見ておく。

キャンパスの立地・周辺環境も、意外と見落とされがちだが材料になる。地域連携を掲げる学部なら、キャンパス周辺の街並みや地域の様子を実際に歩いてみると、「地域とどう関わっているか」を具体的に語れるようになる。

在学生・教員への質問例

OCで一番もったいないのは、質問コーナーで何も聞かずに終わることだ。事前に聞くことを決めておくと、その場で沈黙する時間がなくなる。相手・目的別に質問例を整理した。

聞く相手質問の目的質問例
在学生入学後のリアルな生活を知る「この学部を選んで、入学前のイメージと一番違ったことは何ですか」
在学生カリキュラムの実態を知る「〇〇という授業は、シラバス通りに進みますか。実際どんな課題が出ますか」
在学生進路の実態を知る「同じゼミ・研究室の先輩は、卒業後どんな進路に進む人が多いですか」
教員研究の切り口を知る「〇〇というテーマについて、この研究室ではどんな手法・視点で扱っていますか」
教員学部の求める学生像を知る「入学してくる学生に、高校のうちに身につけておいてほしい力はありますか」
教員自分の関心との接点を探る「〇〇に関心があるのですが、この分野の中でどのあたりの研究が近いですか」

質問例に共通するのは、「調べれば分かること」ではなく「その場にいる人にしか答えられないこと」を聞いている点だ。「この大学の特色は何ですか」のような質問は公式サイトに答えが書いてあるので相手も答えに困る。具体的で答える側にも実感のある質問ほど、返ってくる答えの質も上がる。

面接本番でも「〇〇先生の研究を知っていますか」「なぜこの大学なのか」は定番の質問で、OCで得た一次情報がそのまま回答の材料になる。総合型選抜の面接でよく聞かれる質問の全体像は AO・総合型の面接対策 にまとめている。

その場でのメモの残し方

OC当日は情報量が多く、後から「何を見たか」がぼやけやすい。メモの取り方を工夫しておくと、帰宅後の作業が段違いに楽になる。

スマホのメモアプリでもノートでも構わないが、「見たこと」と「感じたこと」を分けて書くのがコツだ。「模擬授業で〇〇という手法を使っていた」は見たこと、「それを見て自分の△△という関心と結びつくかもしれないと思った」は感じたことになる。この2つを混ぜて書くと、後で読み返したときに何が客観的事実で何が自分の解釈だったか分からなくなる。

在学生・教員から聞いた話は、その場で一言一句メモするのが理想だが難しければ、キーワードだけでも書き留めておく。特に固有名詞(教員名・授業名・研究室名・プロジェクト名)は記憶が薄れやすいので優先してメモする。志望理由書や面接で「〇〇先生の研究」と具体名を出せるかどうかは、パンフレット引き写しか一次体験かの分かれ目になる。

1つの大学を見終えるごとに、その日のうちに「今日一番印象に残った場面」を1つだけ、3〜4行で書き出しておくとよい。複数校を回ると記憶が混ざるので、その日のうちの整理が効く。

帰宅後:メモを志望理由書の素材に変換する4ステップ

OC当日の熱が残っているうちに、メモを志望理由書で使える形に変換しておく。時間が経つほど記憶の解像度が落ちるので、当日か翌日中の作業をすすめる。

ステップ1:メモを「事実」と「自分の反応」に仕分ける

当日のメモを見返し、「大学側の事実(授業内容・研究内容・在学生の発言)」と「自分がそれをどう感じたか」を別々に整理し直す。これが志望理由書の「大学固有」と「自分固有」の材料になる。

ステップ2:自分の関心(過去・現在)と接続できる事実を選ぶ

事実のリストの中から、自分がもともと持っていた関心や過去の経験と結びつくものを選ぶ。関係の薄い情報をすべて詰め込むと散漫になるので、志望理由書の核にできそうな1〜2点に絞り込む。

ステップ3:「なぜこの大学でなければならないか」の一文を作る

選んだ事実を使って、「この大学のこの資源(研究室・教員・カリキュラム・地域性)だからこそ、自分のこの問いに答えられる」という一文を作る。ここまでできれば、志望理由書の核になる段落がほぼ完成している。

ステップ4:小論文・面接の材料としても転用する

OCで得た問題意識は、志望理由書だけでなく総合型選抜の小論文の題材や、面接の回答材料にもそのまま使える。総合型選抜の小論文で志望理由書との一貫性をどう作るかは 総合型選抜の小論文 で整理している。

書いた志望理由書の下書きができたら、提出前に客観的な目で確認しておくと安心感が違う。lonovaの 志望理由書添削(/statement) は、無料登録すれば使える機能で、書き上げた志望理由書を貼ると志望動機・大学適合・具体性・将来像・文章力の観点で採点し、改善ポイントを返してくれる。チャットで壁打ちしながらゼロから磨きたい場合は、二人三脚のコーチ機能(サブスク限定)も用意している。

オンラインOCしか参加できないときの代替案

部活の大会や模試の日程、地方在住で交通費・時間の制約があるなど、現地のOCに行けない事情は誰にでもある。近年は多くの大学が動画コンテンツやライブ配信形式のオンラインオープンキャンパス(Web OC)を実施しており、学長メッセージや学部紹介、模擬授業の映像を自宅から視聴できる大学が増えている。現地開催と同時期に配信するケースも通年で動画公開するケースもあるため、志望校の入試情報ページで確認しておきたい。

オンライン形式でも、この記事で挙げた「事実」と「自分の反応」を分けてメモする考え方はそのまま使える。ただし在学生・教員への質問がその場でできない場合が多いので、代わりの手段を用意しておくとよい。

  • 配信内で質問フォームやチャット質問を受け付けている場合は活用する
  • 大学の入試相談窓口(電話・メール)に個別に質問を送る
  • 学部の公式SNSやオープンキャンパス特設サイトのFAQを読み込む
  • 可能であれば別日程で現地開催がないか、または個別相談会・見学の枠がないか調べる

オンラインだけで一次体験が現地に完全に代替できるわけではないが、「大学固有の情報を、自分の関心と結びつけて語れるか」という志望理由書の核は、オンラインで得た情報でも十分に作れる。現地に行けないことを引け目に感じる必要はない。

まとめ

夏のオープンキャンパスは、志望理由書の材料集めという視点を持つだけで、得られるものが大きく変わる。要点を整理する。

  • 志望理由書で評価されるのは「大学固有」と「自分固有」が交差する点。OCの一次体験はその交差点を作る最大のチャンス
  • 行く前にアドミッション・ポリシーを読み、調べれば分かることを潰し、自分の関心を問いの形にしておく
  • 当日は模擬授業の「問いの立て方」、研究室の「実際の使われ方」、キャンパスの立地を見る
  • 在学生・教員には「その場でしか答えられないこと」を聞く。事前に質問を用意しておく
  • メモは「事実」と「自分の反応」を分けて残し、当日か翌日中に志望理由書の素材に変換する
  • 現地に行けない場合はオンラインOCと個別相談で代替できる

OCで得た一次体験は志望理由書だけでなく面接や小論文の材料にもなる。書き上げたら提出前に 志望理由書添削(/statement) で客観的に確認しておくと安心感が違う。


よくある質問

オープンキャンパスにはいつ行くのがいいですか

7〜8月の夏休み期間に主要大学のOCが集中する。総合型選抜のエントリーや出願受付は6〜9月に始まる大学が多く、夏のOCで得た材料を出願書類に反映できる余裕があるのは高3にとって実質この時期が最後になりやすい。予約制の大学が主流なので、志望校の日程は早めに確認しておきたい。

複数の大学を1日で回っても大丈夫ですか

日程が近ければ問題ないが、メモを当日か翌日中に整理しないと記憶が混ざりやすい。1校ごとに「今日一番印象に残った場面」を3〜4行で書き出しておくと後から区別がつきやすい。

併願校のOCにも行く価値はありますか

ある。他大学の模擬授業や在学生の話を聞くことで、自分の関心が「分野一般」に向いているのか「特定の大学の特定の資源」に向いているのかが相対的に見えてくる。第一志望の志望理由書を書くときの比較材料にもなる。

オープンキャンパスに行かないと志望理由書は書けませんか

行かなくても書ける。ただし「大学固有」の情報源がパンフレットとWebサイトに限られるため、他の受験生と似た内容になりやすい。オンライン説明会や学部のSNS発信などが代替の情報源になる。

メモは手書きとスマホどちらがいいですか

どちらでもよい。重要なのは「見たこと」と「感じたこと」を分けて記録する形式であって媒体ではない。当日書きにくければキーワードだけメモし、移動中や帰宅後に文章として肉付けすれば十分機能する。

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