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書き方ガイド更新 2026.05.13·8 分で読了

小論文の具体例の出し方|説得力を上げる根拠の組み立て方

小論文具体例書き方大学入試採点

小論文で具体例が浮かばない人へ。採点軸「具体性」を伸ばす具体例の選び方、抽象論を避ける書き方、自分の体験を社会論に接続する方法を整理しました。

小論文の具体例の出し方|説得力を上げる根拠の組み立て方

「小論文を書こうとすると、具体例が浮かばない」――この悩みは受験生から本当によく聞く。型を覚えて、構成を立てて、書き始めてはみるものの、本論で具体例を出す段で手が止まる。結果、抽象論で字数を埋めて、採点で「具体性」軸が60点台で停滞する。

この記事では、小論文の具体例の出し方を整理する。採点軸「具体性」が何を見ているか、4種類の素材それぞれの使い方、抽象論に逃げないコツを解説する。

筆者は AI 小論文添削サービス lonova 編集部。具体性の低さが原因で点を落とす答案を多数見てきた経験から、具体例を強くする方法をまとめた。

具体例が点数を決める理由

採点者の立場で考えると、具体例の重要性が見えてくる。

抽象論だけの答案は「誰が書いても同じ」になる。「多様性が大切」「コミュニケーションが重要」「思いやりが必要」――こういう一般論は、受験生10万人が同じことを書ける。採点者が「この受験生は他とどこが違うか」を判断する材料がない。

具体例は答案に固有性を与える場所だ。同じ「多様性が大切」という主張でも、「私が中学のとき、外国にルーツを持つ転校生と接したとき〜」と続けば、その受験生固有の経験から論じている。これが点を取る答案の構造だ。

lonova の AI 採点で見ると、具体性軸が80点を超える答案には必ず具体例がある。70点以下の答案は大体抽象論で押し切っている。具体性は点数の伸びしろを決める。

採点軸「具体性」が見ているもの

採点軸の「具体性」は何を見ているか整理する。

1. 主張を支える具体例があるか

「〜が大切」と書いたら、その主張を支える具体例が続いているか。具体例なしで価値判断だけ並べる答案は、論証として弱い。

2. 具体例が主張と対応しているか

具体例があっても、主張と噛み合っていなければ意味がない。「論理性が大切」と書きながら、関係ない具体例を出していないか。

3. 具体例の解像度が高いか

「いろいろな国の人と話した」より「ベトナム出身のクラスメイトと、彼の母国の食文化について話した」の方が解像度が高い。固有名詞・数字・時系列が入ると解像度が上がる。

4. 具体例が一般論への橋渡しになっているか

具体例で終わるのではなく、「この経験から〜という一般論が言える」と社会論に接続できているか。個人の体験を社会的視点に広げる力が問われる。

具体例の4つの種類

小論文で使える具体例は4種類ある。

種類内容向くテーマ
自分の体験学校・家庭・地域での経験教育・社会・人間関係
統計・データ政府統計、調査結果経済・社会課題
時事ニュース直近の事件・出来事法・政治・社会
学問・歴史教科書知識、歴史的事実哲学・人文・社会科学

このうち「自分の体験」が最も独自性を出しやすく、「統計・データ」が最も説得力を持つ。両方を1つの答案に組み込めると強い。

自分の体験を素材にする

自分の体験を具体例として使うコツ。

コツ1:日常の小さい出来事を社会論に接続する

「友達との会話」「家族との議論」「アルバイト経験」「部活動」「ボランティア」「旅行」――どれも社会論に接続できる。

例:「家庭で外国人観光客に道を教えた経験」→「日本の多文化対応の課題」 例:「部活動で意見が対立した経験」→「組織における意思決定の難しさ」

コツ2:1つのエピソードを深掘りする

複数のエピソードを並べるより、1つを深く掘り下げる方が説得力が出る。「いつ・どこで・誰と・何があって・どう感じたか」を1段落で書く。

コツ3:感情の動きを入れる

体験を語るとき、自分がどう感じたかを1文添える。「驚いた」「違和感を持った」「考え方が変わった」など。これがあると体験が「生きた素材」になる。

コツ4:体験から一般論への橋渡し

体験を語って終わらない。「この経験は〜という一般論を示唆する」と社会論に広げる。これができないと「体験談で終わる答案」になる。

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統計・データを素材にする

統計やデータを具体例として使うコツ。

コツ1:信頼できる出典から引用

政府統計(総務省、厚生労働省、文部科学省)、国際機関(OECD、UN、WHO)、大手新聞社の世論調査などが信頼できる。ネット記事や SNS の情報は出典として弱い。

コツ2:完璧な数字は不要、範囲で書ける

「2022年の出生率は1.26」のように厳密でなくていい。「近年の出生率は1.3前後で低下傾向」のように範囲で書ける。確信のない数字を断定的に書くより、範囲で書く方が安全だ。

コツ3:比較を添える

数字を単独で出すより、比較を添えると意味が伝わる。「他国比」「過去比」「業種比」のいずれかを1つ添える。

コツ4:数字の意味を解釈する

数字を引用するだけでは弱い。「この数字は〜を示唆する」と意味を解釈する1文を必ず添える。

時事ニュースを素材にする

時事ニュースを具体例として使うコツ。

コツ1:「最近のニュース」より「具体的な事例」

「最近、SDGsが話題になっている」では弱い。「2024年に〜という事案で〜が起きた」のように、具体的な事例を引用する。

コツ2:直近のニュースに偏らない

入試本番の数日前のニュースで論じると、採点者と認識がズレる可能性がある。半年〜3年前の事例の方が「論じる素材」として安定する。

コツ3:誰でも知っている事例を選ぶ

マニアックな事例より、誰でも知っている事例を使う。コロナ禍、東日本大震災、SNS炎上、AIの普及など。採点者の前提知識に乗れる事例が伝わりやすい。

コツ4:批判的に扱う

ニュースを単に紹介するのではなく、「この事例から〜という構造的問題が見える」と批判的に扱う。

学問・歴史を素材にする

教科書知識や歴史的事実を具体例として使うコツ。

コツ1:高校教科書レベルで十分

専門書から引用する必要はない。高校の歴史・政治経済・倫理の教科書レベルの知識で書ける。

コツ2:歴史を現代に接続する

過去の事例を引用するときは、それを現代の議論に接続する。「江戸時代の身分制度は〜という構造を持っていた。これは現代の〜にも通じる」のように。

コツ3:哲学者・思想家の引用は慎重に

「ロックは〜と言った」「カントは〜と論じた」のような引用は、誤用すると印象が悪い。確信のある引用だけ使う。

コツ4:複数の学問領域を組み合わせる

歴史と現代政治、経済と倫理、文学と社会など、複数の領域を組み合わせると論述に深みが出る。

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具体例でやりがちなNG

具体例の使い方で減点される答案には共通パターンがある。

  • 抽象論で終わる:「多様性が大切」「思いやりが必要」だけ
  • 具体例が主張と噛み合わない:的外れな例を出している
  • 解像度が低い:「いろいろな経験」「様々な人」では何も伝わらない
  • 具体例の羅列で論証なし:3-4個並べるだけで分析がない
  • 嘘の具体例:捏造したエピソードは採点者に見破られる
  • 時事ニュースの表面引用:「コロナ禍は大変だった」程度で済ます
  • マニアックな引用:採点者が知らない事例を引用

これらは AI 採点で「具体性」軸の低スコアとして現れる。

具体例を AI 採点で確認する

具体例の質は自己採点しにくい。書いている本人は「具体的に書いた」と感じても、客観的には抽象論にとどまっているケースが多い。

AI 採点を使うと、抽象語の使用頻度、具体例の解像度、論述との接続が軸別スコアで可視化される。「具体性」軸が70点を切る答案は、ほぼ確実に具体例の質に問題がある。

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まとめ

小論文の具体例の出し方の要点をまとめる。

  • 具体例は答案に固有性を与え、点数の伸びしろを決める
  • 採点軸「具体性」は「主張との対応・解像度・一般論への接続」を見る
  • 具体例の素材は4種類(体験・データ・時事・学問)
  • 自分の体験を社会論に接続するのが最も独自性が出る
  • データは「信頼できる出典・範囲で OK・比較を添える・意味を解釈」がコツ
  • 時事は直近すぎず、誰でも知っている事例を批判的に扱う
  • 「抽象論で終わる」「解像度が低い」「主張と噛み合わない」が NG パターン

具体例が書けないのは「素材がない」のではなく「素材の選び方・接続の仕方を知らない」だけだ。

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よくある質問

体験談を書きたいが、特別な経験がない場合は?

特別な経験は不要。日常の小さい出来事で十分。「家庭での会話」「学校での出来事」「アルバイト経験」「部活動」「友達との議論」――これらすべて社会論に接続できる素材だ。「特別な経験」より「自分なりの気付き」がある体験を選ぶ。

統計データを覚える時間がない場合は?

完璧に覚える必要はない。「2020年代は◯%程度」のように範囲で書ければ十分。新聞・ニュースを定期的に読んで、感覚を掴んでおくのが現実的だ。

具体例を1つの答案にいくつ入れるべきですか?

800字なら2-3個、1200字なら3-5個が目安。多すぎると1つ1つの掘り下げが浅くなる。少なすぎると論証が弱くなる。「メインの具体例1つを深く掘り下げ、補助の具体例を1-2個添える」がバランス良い構造だ。

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