lonova
一般入試更新 2026.10.08·約 14 分で読了

慶應の小論文|学部別の配点・試験時間と出題意図を公式資料で整理(2027年度入試)

慶應小論文一般選抜過去問出題意図総合型選抜

慶應義塾大学の一般選抜で小論文(論文テスト)を課す学部と、配点・試験時間・何を問うかを、大学の公式資料で整理しました。2027年度から経済学部は小論文を休止。公開されている過去問と出題意図の使い方、学部ごとの準備の重心も解説します。

慶應義塾大学の一般選抜では、多くの学部で小論文(商学部は論文テスト)が課される。対策を考えるときに頼りになるのは、大学が公式に出している資料だ。入試要項には各科目で何を問うかが書かれており、公式サイトでは過去の試験問題と出題意図も公開されている。

この記事では、慶應義塾大学の公式資料をもとに、小論文を課す学部・配点・試験時間・何を問うかを整理し、出題意図から読み取れることと、過去問の使い方をまとめる。資料はすべて2026年10月8日に確認した。

なお、2027年度の一般選抜要項は、大学が公表した 2026年度一般選抜の得点状況 の注記で「2026年11月上旬に公開予定」とされている。この記事の配点は公開済みの「2027年度 一般選抜 試験教科・科目・配点」、試験時間と科目の説明は「2026年度 一般選抜要項」によるので、受験前には必ず2027年度の要項で確認してほしい。

2027年度入試で小論文がある学部と配点

学部・方式科目配点(2027年度)試験時間(2026年度要項)要項に書かれた「何を問うか」
文学部小論文100点(合計350点)90分資料を与えて、理解力、発想力、論理的構成力、表現力を総合的に問う
法学部(法律学科・政治学科)小論文100点(合計450点)60分国家や社会の基本原理を中心とした諸問題について、理解力、分析力、構成力、表現力を問い、論述形式で解答させる。資料やキーワードを与える場合がある
商学部 B方式論文テスト100点(合計400点)70分資料を与えて、論理的理解力と表現力を問う
総合政策学部・環境情報学部小論文200点(合計400点)120分発想、論理的構成、表現などの総合的能力を問う
看護医療学部小論文配点の記載なし(第2次試験の選考に使用)70分知識、理解力、分析力、構想力、表現力を問う
医学部小論文(第2次試験)配点の記載なし60分要項に説明なし(第2次試験は小論文と面接)

法学部の小論文には採点の条件がある。2026年度の要項には「「小論文」は、「外国語」および「地理歴史」の合計点、ならびに「地理歴史」の得点、いずれもが一定の点数に達した受験生について採点します」と書かれている。小論文だけでなく、外国語と地理歴史で一定の点数を取ることが前提になる。

総合政策学部・環境情報学部は、選択した受験教科(外国語・数学・情報などから選択)の採点結果と小論文の採点結果を組み合わせて最終判定するとされており、小論文の配点が合計の半分を占める。

経済学部は2027年度から小論文を休止

経済学部は、2024年12月6日の告知で「2027年2月に実施される一般選抜から、小論文を休止し、数学と地理歴史の試験時間と配点を拡大することを決定しました」と発表している。2027年度の経済学部の一般選抜は、A方式が外国語(英語)と数学、B方式が外国語(英語)と地理歴史で、いずれも100分・200点だ。

古い参考書や過去の対策記事には経済学部の小論文対策が載っていることがあるが、2027年度に経済学部を受ける場合、小論文の準備は必要ない。

要項の「何を問うか」を読み比べる

要項の説明は学部ごとに言葉が違う。準備の重心をどこに置くかは、ここから考えるのが確実だ。以下は要項の言葉をもとにした編集部の整理である。

学部要項のキーワード準備の重心(編集部の整理)
文学部資料・理解力・発想力・論理的構成力・表現力、表記の正確さ資料を正確に読む力と、限られた字数で自分の考えを組み立てる力。誤字や表記の乱れにも注意
法学部国家や社会の基本原理・理解力・分析力・構成力・表現力設問の条件を外さずに、社会の仕組みに関わる論点を分析して論述する力
商学部 B方式資料・論理的理解力・表現力長めの資料や図表の内容を論理的に読み取る力
総合政策・環境情報発想・論理的構成・表現問いに対して自分の考えを発想し、論文として説得力のある形に組み立てる力
看護医療知識・理解力・分析力・構想力・表現力資料や問いを理解し、自分の考えを筋道立てて述べる力

文学部の要項は、小論文について「与えられた資料に基づき、的確な理解と判断をもち、自らの意見をいかに適切な言葉をもって書き表し得るかを試すもので、併せて表記の正確さも求めます」と説明している。総合政策学部・環境情報学部の要項は「どれだけ発想豊かに、自分の考えを論文として論理的に構成し、説得力のある表現ができるかを問うもの」としている。

学部ごとに言葉は違うが、共通しているのは「資料や問いを正確に理解し、自分の考えを論理的に組み立てて、適切な言葉で表現する」ことだ。どの学部を受けるにしても、ここが準備の土台になる。

出題意図から分かること(2026年度)

慶應義塾大学は、一般選抜の試験問題と「出題意図」を公式サイトで公開している。2026年度の出題意図から、2つの学部の例を見てみる。

法学部(2026年度)

出題意図には、「解答に当たっては、どのような結論を採ってもよいが、出題に即した答案が求められる」とある。2026年度は設問に3つの条件が設定されており、条件から大きく外れて一般論を論じる答案は「出題の趣旨に即しているとはいえない」とされた。一方で、問題文中の2つの意見を丁寧に読み解き、自分の見解を論拠とともに述べた答案は相対的に高く評価されたと説明されている。

ここから分かるのは、結論の良し悪しより、設問が設定した条件に沿って、資料や意見を正確に読み、根拠を示して論じているかが見られているということだ。

文学部(2026年度)

2026年度の文学部は、設問Ⅰが問題文の要旨をまとめる要約問題、設問Ⅱが論述だった。出題意図では、設問Ⅱで問う力として、論点にそった他の事例を示す「着想力」、論点と事例を結びつけて議論をふくらませる「展開力」、「400字という枠内で論理的にまとめられているかという構想力」、説得力のある文章に組みあげる「表現力」が挙げられている。具体例を用いても、抽象的に論じてもよいとされている。

形式は年度によって変わるが、「要約で正確に読む力」と「限られた字数で論を組み立てる力」の両方が問われている点は、準備の手がかりになる。

過去問と出題意図の使い方

公式サイトでは、2025年度・2026年度などの一般選抜の試験問題(著作権の関係で一部非公開の場合あり)と、出題意図・解答例(合格発表後2週間程度を目安に順次公開)を確認できる。

過去問は、次の順で使うと出題意図が生きる。

  1. 本番と同じ時間を計って、最後まで書き切る
  2. 出題意図を読み、設問が何を求めていたか(条件・字数・資料の使い方)を確かめる
  3. 自分の答案が、条件に沿って根拠を示せていたかを見直す
  4. 指摘を踏まえて同じ問題を書き直す

自分で見直すだけでは、条件を外していないか、根拠が足りているかを判断しにくい。学校や塾の先生、添削サービスなど、第三者の目を入れるのが効く。返却の速い手段として、lonova の AI 採点も使える。登録不要で1日1回 /try で試せて(結果は一部表示)、無料登録すれば1日3件まで /grade で本格採点を受けられる。過去問を回すサイクルの作り方は 小論文の過去問の使い方 で詳しく書いている。

商学部B方式の「論文テスト」

商学部のB方式では、小論文ではなく「論文テスト」が課される。2026年度の要項は、論文テストについて「現代日本語で書かれたやや長文の資料や図表が与えられ、その内容についての理解力、論理的思考力、表現力を問うもの」と説明している。

名前は似ていても、他学部の小論文とは形式が異なる可能性がある。公式サイトで公開されている過去の問題で、解答の形式を必ず確認してから準備してほしい。

総合政策学部・環境情報学部の小論文

総合政策学部・環境情報学部の小論文は、120分・200点と、他学部より時間も配点も大きい。要項では「問いに対して自らの考えを論述する形式の試験」で、「受験生の発想、論理的構成、表現などを総合的に評価しようとするもの」と説明されている。

両学部のアドミッション・ポリシーにも、小論文で読解、発想、論理的構成、表現などの総合的な能力を評価すると書かれている。問いの形式は年度によって大きく変わることがあるので、公開されている過去の問題と出題意図で、複数年分の形式を確認しておきたい。総合政策・環境情報系の小論文の考え方は SFC・国際系学部の小論文 でも扱っている。

看護医療学部・医学部の小論文

看護医療学部の小論文は、要項で「第1次試験の選考では使用せず、第2次試験の選考に使用します」とされている。ただし、2026年度の要項には「「小論文」を受験しなかった場合には、第1次試験は不合格となります」とも書かれているので、第1次試験の日に必ず受験する必要がある。

医学部は、第2次試験で小論文と面接が行われる。医学部の小論文は、公式サイトの試験問題・出題意図の公開一覧には含まれていない。医療系の小論文の一般的な考え方は 医学部小論文の対策 と 看護系小論文の書き方 で扱っている。

総合型選抜で論述を課す入試

一般選抜以外にも、論述や小論文を課す入試がある。2027年度の要項から2つ例を挙げる。

入試論述・小論文の扱い(2027年度要項より)
法学部 FIT入試(総合型選抜)A方式は模擬講義の後に論述試験(45分)。B方式は総合考査Ⅰ(資料から読み取れることを400字程度にまとめる・45分)と総合考査Ⅱ(与えられたテーマのもと400字程度の小論文・45分)。志望理由書は800字以内
文学部 自主応募制による推薦入学者選考総合考査Ⅰ(120分)は小論文形式で、各種資料に対する理解力、文章構成・表現力、分析力等を考査し、外国語による作文力もあわせて評価。総合考査Ⅱは60分

総合型選抜・学校推薦型選抜の小論文の考え方は 総合型選抜・推薦入試の小論文 にまとめている。

まとめ

  • 2027年度に一般選抜で小論文(論文テスト)を課すのは、文・法・商(B方式)・総合政策・環境情報・看護医療(第2次試験の選考に使用)・医学部(第2次試験)
  • 経済学部は2027年2月の一般選抜から小論文を休止した
  • 配点は文100点・法100点・商B100点・総合政策/環境情報200点(2027年度)。法学部の小論文は、外国語と地理歴史が一定の点数に達した受験生について採点される
  • 要項の言葉は学部ごとに違うが、共通するのは「資料や問いを正確に理解し、自分の考えを論理的に組み立てて表現する」こと
  • 出題意図は公式サイトで公開されている。法学部は「出題に即した答案」を求めており、設問の条件を外さないことが土台になる
  • 試験時間などの最終確認は、2026年11月上旬に公開予定の2027年度一般選抜要項で行う

よくある質問

慶應の小論文は独学で対策できますか?

公式サイトで過去の試験問題と出題意図が公開されているので、それを手がかりに独学で準備することはできる。ただ、自分の答案が設問の条件に沿っているかを自分だけで判断するのは難しいので、学校や塾の先生、添削サービスなど、第三者の目を入れて書き直すことをすすめる。

経済学部志望ですが、小論文の対策は必要ですか?

2027年度の一般選抜で経済学部だけを受けるなら不要だ。経済学部は2027年2月の一般選抜から小論文を休止し、A方式は英語と数学、B方式は英語と地理歴史になった。他学部を併願する場合は、その学部の小論文の準備が必要になる。

総合政策・環境情報の小論文は対策が立てにくいと聞きます

問いの形式は年度によって変わることがある。要項とアドミッション・ポリシーが示す「発想、論理的構成、表現」を軸に、公開されている複数年分の過去問で形式の幅を確認し、時間を計って書く練習を重ねるのが現実的だ。

商学部B方式の論文テストは、小論文の対策で点が取れますか?

要項の説明では、論文テストは資料や図表の内容についての理解力・論理的思考力・表現力を問うもので、他学部の小論文とは形式が異なる可能性がある。公開されている過去の問題で形式を確認し、それに合わせた練習をしてほしい。

過去問は何年分やればいいですか?

決まった正解はない。まず公式サイトで公開されている直近の年度の問題を、本番と同じ時間で解き、出題意図と照らして書き直すことから始める。数をこなすより、1つの問題を「解く→出題意図で確認→書き直す」まで回す方が力になる。

参考にした一次資料

いずれも2026年10月8日に内容を確認した。

関連ガイド

この記事をシェア

lonova の AI 添削

書いた小論文を、AI が観点別に採点

「書いても、見てくれる人がいない」という受験生の悩みに応えるために作りました。登録不要で 1 日 1 回、その場で総合点と講評の一部を確認できます。無料登録すれば 1 日 3 件まで、観点別のスコアと改善点まで見られる本格採点を受けられます。

サブスク(有料)は初回 14 日間無料で、14 日経過後は自動的に課金が開始されます(期間内に解約すれば料金はかかりません。解約はマイページからいつでもできます)。18 歳未満の方は、保護者の同意を得たうえでご利用ください。

関連性の高い記事